泥棒

昔、今すんでいる家の2代前のころ。
家に泥棒が入ったことがあった。
いや、家族が全員いる時に庭に忍び込んできたから強盗かもしれません。(泥棒で統一する)

母親が夜10時過ぎに明日天気だからとベランダに洗濯物を干していた。
ベランダから偶然に隠れていた泥棒と目が合ったようだ。
非常に狭い庭だから、ベランダに人が出て来たら普通すぐにみつかる。
それなのに、うちの母親は洗濯を干し終わるまで気がつかなかった。
ここにちょっと感動した。

目が合った泥棒は一目散に逃げっていたようだが、母親から父親に情報が流れ父親も木刀片手に飛び出していった。

木刀を持ったオールバックの中年が追いかけてきたら、泥棒の方も完璧に混乱した。
泥棒が立ち止まり、木刀をもった相手にぶっ殺してやるっと暴言を吐いた挙句何もせずにまた逃走。
また追いかけっこの再開。
するとまた泥棒が立ち止まった。
何を勘違いしたか、さっきぶっ殺してやると言った相手に対して友達になろうと誘ってきた。
大魔人とかした父親は聞く耳を持たなかった。
父親がじりじりと詰め寄っていったが、またまた泥棒が逃げた。
またまた追いかけっこ再開。
しばらくして泥棒が転んだ。
そして、今度は命乞いをはじめた。
さすがにこれには父親も呆れて交番まで泥棒を連れて行った。

っと言う話を、当時小学校3〜5年のとき、事件が起こった翌日に聞いた。そのころは、カンペンで人の頭をバコバコ殴っていた良い子ちゃんであった自分は9時には寝ていたのである。
正直うそだと思ったが、週末に警察と泥棒がきて現場検証のようなものをして帰っていった。
本当にビックリした。泥棒は、サングラスをかけていればシティーハンターの海ぼうずにそっくりだった。体格もうちの父親よりでかく腕も太い。
警察、泥棒、父親の話を聞いていたら、父親が言っていた事はほぼ真実だった。
追いかけっこしていた事やら、泥棒の脅し、懐柔、懇願もあったようだ。
何故か、父親の台詞が曖昧にされていて要領をえなかった。

ここまでダラダラ書いているが一番言いたい事は、父親がどのような暴言を吐いて泥棒を泣かせたかと言う事だ。
身長、体重、腕の太さ相手の方がみんな上である。確かに木刀を持っていたとはいえ海ぼうず似の男を懇願させるほど泣かせられるかは、はなはだ疑問である。

今もなお、そのことは家の中ではタブーとされているらしく話題にならない。
ただ、知らないだけかもしれない。父親に聞いても忘れたの一言。
実際に本当にプッツンしたのかもしれない。

父親が死ぬ時にもう一度聞いてみようと思った。