カメラ

自分はカメラが嫌いです。
自分の容姿が悪い事もさながら父親が無類のカメラ好き。
しかも、風景写真ではなく人物写真が好きときてやがる。
なので、小さい頃からしょっちゅう写真を撮られていた。
もし、写真で魂が抜けるのであればもう数千回は死んでいる。それほどまでに写真を撮られた。もちろん家族全員。
実際に自分のアルバムも十数冊とある。もちろん、小さい頃の自分の写真が恥辱死するかというほどに納められている。例で言うな坊主頭の自分や飯を食いながら寝ている幼き自分。最悪なのが赤い褌を巻いて海辺で砂まみれになりながら泣いている自分。これだけで十分に死ねる。
嘘か本当か父親は、家が燃えたら真っ先にアルバムを持ち出すと豪語していた。
切実に止めて欲しい。

ここニ〜三年はカメラや写真のなどと言ってられないほど忙しく旅行に行く時くらいしか写真を撮ってこなくなった。それでも年に4〜6回ほ両親だけで海外などに行き、いたったら行ったで数百枚の写真を撮ってくる。帰ってきたら家族で写真の整理。うんざりする。まあ、それでも昔に比べたらリアルに数倍ましである。

しかし最近、父親が「カメラ、写真」とキチガイのごとく喋りかけてくる。
恐れていたカメラの情熱が再燃したらしい。

再燃の原因はヤフオクらしい。
うちの父親は自営業だが最近は暇らしい。
暇な人間がネットに走るのは自明の理で、父親もその流れにのっとったみたいで日がな一日やっているらしい。
あまりコアなサイトには行かない父親がヤフオクに行く事はほぼ確実でダラダラと出ている品物を見ていたらしい。
そこで見つけたのが、30年位に出された二眼レフ
なんか、二眼レフには思い入れがあるようで即買いした。4万で。
自分には理解できない。
何故にそのような骨董品を4万もしてまで買うのか。

まあ、実際に良いものらしく状態も非常に良いのが届きご満悦の父親。
ものすごく機嫌が良くて気持ち悪い。
きっと、今週の休みあたり写真を死ぬほど撮られます。
胴長単足のブ男が100枚を越えるほどの写真を現像される事を思うと死にます。


マジに死ぬ。
タスケテ