カバン 29−2

先日、我が宅でアリがでる事を報告しました。
そのアリは何所からくるのか不明でしたが、平成17年6月28日に侵入経路を発見しました。
それは、あまりに大胆であまりに狡猾でアリとは思えないほどの思慮深さを感じ取れました。
確かにこの方法なら安全に侵入でき素早く食べ物にありつけます。

発表しましょう。やつらは自分の通勤かばんから我が宅に侵入していたのである。

これは、本当のことでノンフィクシンで現実です。
意味がわからない。何故に通勤かばんからアリが沸いて出るのか。

事の発覚は、28日帰宅して飯を食っていときなんです。
母「最近,虫がでるのよね。」
自分「へぇ〜」
母「特にアリが凄いのよ。」
自分「噛まれるとやだね。」
母「どこからはいって来るのかしら」
自分「窓とかじゃないの」
はは「ほらまたでた。」
自分「おぉ、本当だ」
母「あれ、なんかお前のかばんからアリが出ているみたいなんだけど…。」
自分「そんなわけないじゃん。」
母「本当よみてみなさい。」
自分「うわ〜マジだ。」

っと何の盛り上がりもなく経緯を説明したわけなのですが実際はかなり怒られました。
22歳にもなって親に怒鳴られた。しかも、かばんからアリが出るっていう理由で。

まあ、怒鳴られた事は待ってくもって問題ではありません。そう、問題はそんな所には存在しない。今直面している問題は、何故アリが自分の通勤用かばんから沸いて出てくるのかなのです。
自分のかばんからアリが出てくることを知ったその5秒後、カバンの中身をぶちまけてました。
もちろん、狂ったわけではありません。自分はジェントルメンであり現実主義者なのでカバンからアリが出てくることを瞬間的に理解し・受け止め・噛み砕き・胃に納め・消化し・腸に至り・発酵し・ガスが溜まり・内部から爆砕しました。その結果、カバンをぶちまけたのです。

カバンの中身は大した物は入っていません。リストを作ってみます。
28日のカバンの中身リスト

名前 個数
新耳袋 〜現代百物語〜 第3夜 1冊
新耳袋 〜現代百物語〜 第7夜 1冊
軍鶏 20巻 1冊
軍鶏 21巻 1冊
メンズビオレ洗顔パワーシート 2袋
メモ帳 一冊
シャチハタの印鑑(自分用) 1個
印鑑(小出) 1個
印鑑(小幡) 1個
ポケットティッシュ 2袋
シャーペン 1本
ボールペン 2本
消しゴム 1個
レンタルビデオ店の会員証 1枚
レンタルビデオ店の割引券 1セット
MANBOO!(マンガ喫茶)のポイトカード 1枚
メモの切れ端 数枚
ガチャックの玉、小・中・大 各2〜3個
クリップ 4〜5個
去年の名刺(自分) 2枚
レシートやATMの明細 10枚位
一円玉 3枚
百円玉 4枚
電源の切れた携帯電話 1個
FLORIDAとかいてあるサメのキンホルダー 1個
ビニール袋(小) 1袋
爽健美茶 500ml 1本
ホコリ 少々
カバンの中身を観て流れた涙 プライスレス

である。特に可笑しな物は入っていないがこれが事実なのだ。
自分は基本的のはカバンの中に食べ物を入れない。ましてや、アリの大好物である甘いものは少々苦手な為自分はめったに食べないしもちろん閉まったりなどしない。以上の事からもわかるように、万が一アリの居そうな場所にこのカバンを置いても数匹のアリは迷い込むかもしれないが数十匹も侵入するはずが無い。それよりも何よりも、アリの居る所には通勤用のカバンなど置かないのだ。
だが、実際問題アリはカバンのどこかに居るようだ。中身をぶちまけて解ったが、堂々とカバンんの中には居ないようだが、外側と内側の間わずか数ミリの所に居るようだ。
実は自分はあまり物を大切にする方ではないので、カバンは結構ボロボロです。そのために、小さな穴が開いている部分もちらほらとあります。きっとここから侵入したと思われます。

どうしたものか。
……そうだ、水に静めてしまえばアリはカバンから出るしかあるまい。
子供の頃を思い出す。アリに水をかけて遊んだ幼稚園。アリの巣に熱湯を注いだ小学生。そうだ,あの頃は全てが新鮮で毎日が楽しかった。今をとは全然違う。家と会社の往復の毎日。何かあれば怒られ、問題があれば遅くまで残業。会社で泊まる事も珍しくは無い。はぁ〜、もう嫌だ。何故自分はこんな毎日過ごしているのだ。だけど、この現実から逃げるわけにはいかない。ならば、今この一瞬だけ子供に戻ってみよう。一時後ろを振り返ってみよう。そしたらきっと明日も頑張る事ができる気がする。よし行ってみようやってみよう!
などと、脳内ストーリをニタニタしながら無理やり完結させ何も入っていないカバンを風呂場に持っていきました。
風呂場は昨日の湯が水に変化したまま残っていました。
「へへへ、ちょーどいいじゃね〜か。」
スーツを脱ぎワイシャツも脱ぎ、パンツ一枚になりました。
風呂場でパンツ一枚のいい年した男が、空のカバンを両手で抱え上げてニタニタしている。
変態の出来上がりです。そんな事は意に介しません。
「いよいよ、アリの後悔処刑が始まろうとしています。処刑方法はなんと、彼らが立てこもっているカバンを丸ごと水没させ一族皆溺死させてしまうっというものです。」
頭の中では、ナレーションのドンが騒いでいます。
「おっと、そろそろ処刑の時間のようです。執行人がカウントを始めました。」
10・9・8
「執行人の体が、大きくそり曲がった。」
7・6・5
「4!」
4
「3!!」
3
「2!!!」
2
「1!!!!」
1
「GO!!!!!!!!!!!!」
天誅!!!
ドッボン〜
大きな水柱を上げ、飛び散った大小の水滴が風呂場を濡らしていく。
もちろん、水柱を作りった人物は直接体に受けビショビショだ。

結構涼しくて気持ちよかった。最近熱帯やが続いていたし、会社帰りだから汗ダラダラなのでちょうどよっかた。
そんな事より、カバンですが見事に水没してます。後は、待つだけです。
約10秒経過
まだ、出てくる気配はありません。
約30秒経過
まだ、出てこないです。
約1分経過
出てこないですね。
約5分経過
出てこないし、寒くなってきたのでシャワーを浴びる事に。
約10分経過
頭も洗い終え観てみると、数匹出てきた。あがいてっる。ちょっと引いた。桶ですくって下水で流しちゃった。

これ以上やっても出てこないと勝手に判断し、とりあえずカバンを風呂場から出そうと思いました。
風呂に手をいれてカバンを取り出そうとゆっくり引っ張ったその時!
カバンの周囲の水が茶色に変化していく。
な,何だこれは。
ちょっと、いや結構焦った。
いや、汚れているとは思っていたのだけれど、まさかこんなにカバンが汚かったとは思ってもみなかった。
多分なんですけど、この色はコーヒーの色だと思うんですね。てか、コーヒー以外考えられない。
今は飲んでいないのですが、仕事始めてから今年の3月くらいまで、結構ボトルタイプの缶コーヒーを飲んでいたのです。あの金属で出来た無糖のコーヒーです。あのタイプのコーヒーなんですがどうも蓋をきつく閉め忘れたり、変な風に閉じたりして他の飲み物に比べかなりの高確率でカバンの中でこぼれているんですよ。そのおかげで何冊の本がコーヒーまみれになったか…。
でもまさか、こんなにコーヒーまみれになっていたとは。コーヒー以外にもきっと埃とか汚れもあったと思いますが汚れすぎ。
仕方ないので、そんまま、洗濯機の要領で大回転。水は少し色が変わったかな程度に薄まりました。放置しようかなとも思ったんですが、自分の後弟が入りたいって言ってたこと思い出し、水を抜き浴槽を洗って湯を張りました。非常に疲れた。

結果として、カバンからアリを撃退+カバンの洗濯が出来たので良しとします。
濡れたカバンを外に干して、昨日は寝ました。
朝になってもちろんカバンは濡れ濡れです。で、今日持っていくカバンがない事に気がついたのです。でも。上で書いたカバンの中身リストを見てもらえば解ると思いますが実は仕事にカバンは一切必要ないんです。
なので、今日は携帯と財布だけもって出勤しました。
だけど、行きに週間少年マガジンを買うという大失態。左手にマガジンをもって会社に出勤しました。
うわ〜普通に恥ずかしすぎる。
帰りもマガジンもって帰りたいと思います。
では